僕はDay Dream Believer

モロモロの日々

『9〜9番目の奇妙な人形〜』

本当に何を言っているのかがわからなくてキョトンとしてしまいました。

そもそも人形の彼らは何のために生まれてきたのでしょうか。まずそこがわかりませんでした。少なくとも映画からは感じ取れませんでした。別に何のために生まれたという説明がなくても、何が彼らの幸福であって、その幸福のために何を守り、何を選択すればよいのか。これがあるだけでも大分違ったかもしれません。

敵側の意図もわからず、あの機械たちは何故人形狩りをするのか。コアが必要であれば別にコアだけを探してればいいと思う。それに対して人形たちも安全を好むのであればずっと隠れてればいいだけのことで、人形と機械が戦う理由がどこにもありませんでした。

あのでかい機械を「マシーン」と呼んでしまうところがこの映画を表していると思います。でかい機械を見れば「マシーン」だなんてことはわかりきっていることで、大事なのはそれが何をする「マシーン」であるのかということ。登場人物たちは何のためにあの世界に生まれ何を求め戦えばいいのか。すべて雰囲気で片付けてしまっているような気がしてなりません。

「守るべき世界」とラストシーンに主人公が言っていましたが、あの後に世界に広がるのは永遠の孤独だし、人形達であるわけだから生殖機能もなく希望があるわけではない。それが「守るべき世界」かと言われると首を傾げてしまいます。この映画を作った人は登場人物たちを生み出した責任をとっていないと思う。選択や葛藤をきちんと与えるべきだ。