僕はDay Dream Believer

モロモロの日々

『川の底からこんにちは』

なんだか評判の良い『川の底からこんにちは』を観てきました。『愛のむきだし』からノリにのっている満島ひかり主演で、「中の下」であるダメ人間が逆境に立ち向かっていくという内容。

前半は木村佐和子(満島)がいかにダメであるかをちょっとした笑い交じりに紹介していくのだが、これがもうなんだか自分とは合いませんでした。あんまり邦画観てないんでアレなんですけど、僕の観る邦画って結構そうゆう「現場ではウケました」みたいなのが多くて、だから邦画苦手っていうのもあるんですけども・・・観る作品が悪いんでしょうかねぇ・・・。で、それがちょっと自分にしっくりこずに30分くらいで「あぁこれやっちゃったかなぁ」と思いました。でも後半からは良いシーンもちらほらとあり、新しい社歌を歌うところは愉快でした。あとはやっぱり満島ひかりが綺麗ですねぇ。目をクワッ!と引ん剥いて叫んだり、顔をグシャグシャに崩して泣いたり、良い女優さんだなぁと思いました。良い役者って作品を底上げすると再確認しました。『愛のむきだし』観てぇーー!!

残念だったのは物語としてのきっかけ・動機が弱いところ。描ききれてないというか、わざとなのかなぁ・・・。佐和子は上京して五年で彼氏は同じ会社の上司である。その彼氏がある日会社を辞めて、佐和子の実家にあるしじみ工場を手伝うと言い出すんですよ。佐和子はある理由があって帰りたくないんですが、別に彼氏に説得されたわけでもなく急に次のシーンで田舎に帰る電車に乗っているんですよ。えぇ!なんで!?と。あと後半のしじみが売れる理由がまったくわからない。佐和子たちがやったことと言えばノリノリな社歌を作ったくらいで、それでしじみがいつもの2倍弱売れるとは思えない。映画で一番重要なダメだった佐和子が開き直るきっかけというのも描ききれていませんでした。これって言うなれば「でもやるんだよ!!」っていう『レスラー』なんですよ。ランディにはプロレスっていうものしか残されてなかったわけですが、佐和子にはそこまでしじみ工場をやる理由がない。あと映画で描きたいものをそのまま主人公に叫ばせる(佐和子が「ダメだけど頑張るんだよ!!」叫ぶシーン)のはどうかと・・・。それって作り手側の言葉であって登場人物の言葉ではないんですよ・・・なんてね!!

まだ観ぬ『愛のむきだし』の期待値が高まる作品でした!!