僕はDay Dream Believer

モロモロの日々

『ジャーロ』

『ジャーロ』鑑賞。

『四匹の蝿』や『サスペリアPART2』で有名なダリオ・アルジェント監督と主演製作を務めた垂れ眉・鼻やや曲がり男エイドリアン・ブロディの信用のおける男達による映画『ジャーロ』を観てきました!北イタリアトリノで発生した若い女ばかりを狙った連続殺人事件。犯人は改造タクシーで女性を拉致し隠れ家で切り刻む“ジャーロ”と呼ばれる男。妹セリーヌ(エルサ・パタキ)を拉致された姉リンダ(エマニュエル・セリエ)は猟奇殺人専門のエンツォ警部(エイドリアン・ブロディ)と出会い捜索を始める・・・。

僕はエイドリアン・ブロディM・ナイト・シャマラン監督作『ヴィレッジ』で意識するようになった。『ヴィレッジ』のエイドリアン・ブロディは長髪で小汚い格好をした青年だった。さらに長身で鼻がデカ長いので僕は桜玉吉の漫画に出てくるヒロポンにしか見えなかった。だって言っていることも「結局お前は何なんだよ!!」という行動もヒロポンみたいだったのでもう本当にヒロポンなんじゃないかと思った。ホッケを乗せると今に本音を語るはず!だが後にこれはあくまであのシャマラン監督との化学反応で起こった事故であると気付いた。本格的に惚れてしまったのは『ダージリン急行』で、ビル・マーレイを軽々抜きさる「なんて美しい人なんだ!」と誰もが叫びたくなるようなあのオープニングにやられた。んー当たり前だが良い俳優は監督によって変化するんだなぁと実感しました。最近では泥を塗りたくってもそんなに効果のなかった『プレデターズ』や黒人にキャデラックをすぐあげちゃう気前の良い兄ちゃん役の『キャデラック・レコード』や『キングコング』(未見)などなど男が好きそうな映画にばかり出ています。きっと『キングコング』は面長のキングコング役なんだろうなぁー。いまやブロディと言えばドラゴンボール劇場版にしか出てこないアイツか面長のコイツかぐらいの認知度を確立しつつあるブロディ兄さんの新作がダリオ・アルジェント!!というわけなのです。しかも『ジャーロ』では(そんな隠していることでもないようなので言いますが)ブロディさん一人二役です!主人公の警部役と犯人の“ジャーロ”役なんですよ!!これはもう言ってしまえばブロディのひとり相撲映画なのですが、僕達エイドリアン・ブロディファン通称「ブロガー」にとってはもう最高の1本なわけです!

でも本当に一人二役は良かったと思います。エンツォ警部も“ジャーロ”もお互いに幼少期のトラウマを抱えている鏡合わせのライバルという構図が見事でしたし、それを一人二役でやるというところがとても意味のあることだったと思います。僕は事前に情報を入れずに観たので途中までエンツォとジャーロが一人二役というのに気付いていませんでした。知らずに観ているうちはジャーロすげぇかっこいいし何でこんな演技うまい人が無名なのだろうと不思議でした。ロバート・ロドリゲスにおけるダニー・トレホのようなポジションのダリオ・アルジェントの秘蔵っ子なのかと勝手に思っていましたがまったく違いました。僕がジャーロをブロディだと気付いたのは結構クライマックス近くでした。エンツォ警部のシーンで、なんかエイドリアン・ブロディの顔が黄色いんですよね。「あれ?顔ちょっと黄色くね?」気付くか気付かないか微妙なぐらいにうっすーらと顔が黄色っぽいですよ。ブロディ病気なのかなとちょっとブロガーとしては心配とかしちゃいましたけど、まぁ気付きますよ、彼が一人二役だったことに。あれはもしかしてメイクを落としきれなかったんですかね。いやもしかしたらエンツォとジャーロが鏡合わせであるという暗示なのかな?でも黄色くね?

エイドリアン・ブロディのことばかり書いてしまいましたが映画も面白かったです。主人公の選択が必ずしも正しいとは限らないところが良かったです。犯人が黄色い顔をしていると気付くのはリンダですし病院にたまたまジャーロが来たときには逃がしてしまいますし彼は何もできません。そんなつもりはないかもしれないんですが、時間がないのになんか捜査ゆっくりやってんな!!とちょっとイライラしました。彼自身は何も救われないし何も救えないという着地は『ミスト』のようであって面白かったです。

実はダリオ・アルジェント監督の作品を初めて観たのでどんどん観ていこうと思いました。

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