僕はDay Dream Believer

モロモロの日々

暗いよ〜狭いよ〜怖いよ〜『[リミット]』

『[リミット]』鑑賞。

土の中に埋められた男が「暗いよ〜狭いよ〜怖いよ〜」と面堂終太郎ばりにのた打ち回る映画『[リミット]』を観てきました。目覚めると土の中の箱に埋められていた男が充電切れ間近の携帯電話とボイルの尽きかけたライターでなんとかしようとする話です。主役は『アドベンチャーランドへようこそ』でトワイライトのスケと浮気してた野郎ライアン・レイノルズです。

観る前は土の中って言ってもどうせ男の回想シーンとかで間を持たせるんでしょー?と思っていましたが95分間ずっと箱の中でした。パンフレットによると決して地表に出ずに限られた狭い箱の中でどれだけ物語を展開させるかということを重点におき作られたそうです。しかし物語と言っても無いに等しく、伏線もどんでん返しもなく登場人物は主人公の一人だけというとにかく無駄をこそぎ落としたような映画でした。こういったスリラー映画を観るとき観客は登場人物が限られた空間でいかに救いや希望を見出し生き延びるかという部分に共感して楽しむものだと思います。また『CUBE』や『SAW』ならばグロテスクな描写のみを楽しむのも有りでしょう。しかし本作はずっと箱の中なので部屋を移動した瞬間にバラバラになったり医者が足切って逃げたりしません。なのでこの映画を観ようと思っている人に「じゃあやっぱり救い・希望を見出して脱出する勇姿が見所なのかい?」と聞かれたら「そうゆうわけでもないんだよねー」と微妙な表情で曖昧な返事することでしょう。序盤に主人公が何者であるかや閉じ込められた理由はあっさりと説明されます。そして箱に閉じ込められた男ポールは特にやることもないので、家族・会社・FBIなどとにかく電話を掛け捲ります。しかしこの映画は箱の中のみで進行しFBIが「今一生懸命探している」と言っても外の救出の模様が描かれることがないので疑ってしまいます。オペレーターの女や家族、本当に自分は土の中なのか、いろんなことが不確かに進められていきます。観客に提示されるのは箱の中の狭い空間という主人公と同じ状況なのです。映画的な展開があるわけではなく、暗いところで電話を掛け捲るのみ。観客も同じように土の中にいて主人公と一緒に息苦しさを感じているような、まさしく[超体感型]映画だったと思います。とりあえず携帯の充電とライターのオイルの補充はかかさずやろうと決心しました!フィクションが嫌いな人にオススメかなぁ・・・。

・・・でもやっぱり1800円は高いと思う。『ビッチ・スラップ』観たときにも思ったのだが、やっぱりこういった映画はもっとお手軽な価格で観られないものかねぇ・・・。あ、日本にいるのかは知りませんがライアン・レイノルズ好きには超超オススメ映画だと思いました!!

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