クリスマスは『(500)日のサマー』で決まり!
『(500)日のサマー』は言ってしまえば他人のどうでもいいような恋愛話がギュッと詰まった映画である。しかも「運命」とか「奇跡」とかを主張しちゃうような恋愛話。しかしそんな中学生みたいな恋を誰だって経験してきた。好きな女子とやたら目が合うだけで簡単な「奇跡」を感じてきた。しかも本作は男目線で語られるため、男子(特に文系)は胸を締め付けられるだろう。つまりこれは「恋愛について」の映画です。
そもそもトム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)とサマー(ズーイー・デシャネル)の出会いからしてやられしまった。ヘッドフォンで好きなバンドを聴いていたら、急に女子が「私もスミス好きよ」と声をかけてくるシチュエーションなんて「奇跡」を感じられずにはいられない。ここで大事なのは「スミス」が好きってところ。文系男子は体育会系男子と一線を引きたい。だからこそ体育会系とは違う趣味、知らない世界を開拓する。休み時間には窓際で読書をする。体がガッツリしていないこと(シュッとしているところ)をアピールするためにパリッとしたジャケットを着る。音楽は日本語ロックなんてダサいと言わんばかりに洋楽を聴く。文系はそんな生き方をする。でも文系も体育会系も男は男。やっぱり女にモテたい。こんな僕をいつか誰かがわかってくれる。いつか誰かがわかってくれるんだ!と思って、文系街道を真っ直ぐ進む。そんなときに「私もスミスが好き」だと!!んなもん惚れるに決まってんだろ!!「奇跡」を感じずにいられないだろ!!しかもズーイーだぞ!俺も中学時代に「私もザ・フー好きよ」なんて急に言われたら一発で落ちたわ!そんな奇跡を待っていたトムにとってサマーは一気に自分にとっての理想の女性になる。
サマーに惚れた文系男子トムはあの手この手でサマーの気を引こうとする。じっとサマーのことを見てみたり、遠くでスミスの曲を流して気を引かせようとしたり、自分に自信がなくなって友人に「サマーは諦める」なんて言ってみたり、「もう勘弁してください。僕達の青春の記憶を穿り返さないでください」という行為をことごとく取る。いやーホント勘弁してほしかった。でもそれだけ心を締め付けられた分、サマーと初めてベット・インしたときは拍手したくなったし、セックス翌日に踊り始めたときは「ヨッ、トム兄ぃ!」と合いの手を入れたくなりました。あのダンスはお気に入りの痛快なシーンです。僕らの夢をトム兄ぃは叶えてくれたんです。だてにしゃくれてないね。ありがとう。
しかしここからが恋愛の難しいところ。男は女に尽くすことしかできない。尽くすしか方法を知らないのだ。気軽に付き合いたいサマーにとってそれは窮屈なもので、二人の間にはしだいに埋められない溝ができるのだった。
映画の基本である時間軸をずらすという語り方によって、ただの恋愛話に厚みを与えています。また男目線の曖昧な記憶中で思い出を語るということで、サマーに振り回されたトムの感情の変化をうまく伝えていました。この時間軸と視点をずらすということにより、同じシーンなのに意味合いが変わり、観客はトムの感情の変化を同じように体験することができます。ここがこの映画最大の魅力だと思います。
にしても・・・
ズーイー可愛いなぁ!『ハプニング』であれ?・・・と思わせ、『イエスマン』でやっぱり・・・と唸らせ、本作でうぎゃー!!可愛い!!と見事に確認させてもらいました。ズーイーの魅力はなんつっても青い目でしょ!!あんな吸い込まれそうな瞳ないよ!!また服のセンスも良いなぁ!!可愛いなぁ、たまらんなぁ。
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