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僕はDay Dream Believer

モロモロの日々

生きることは迷惑をかけること-『127時間』

『127時間』を観てきました!登山家アーロン・ラルストンが体験した実話をダニー・ボイル監督が映画化した作品で、主演はサム・ライミスパイダーマンシリーズに出演していたジェームズ・フランコです。「今週はスカイライン観られれば別にいいやー!」と思ってフラッと観に行ったのですが、まぁーーーーっ涙腺崩壊でした。これ、ドエライ傑作じゃないですか!!アカデミー賞を受賞した前作『スラムドッグ$ミリオネア』も好きなのですが、僕はこっちの方が好きです!いや、もう俺、あれ駄目だ。帰り泣きっぱなしでした。僕は最終的に主人公がどうなるかを知っていたのですが、とても楽しめましたし、例のあのシーンも素晴らしいですよ!アメリカでは失神者も出たという例のシーンからラストまで流れが本当に素晴らしかったです!いやー感動した。興奮もした。

2003年、アーロン(ジェームズ・フランコ)は一人でユタの険しい谷へロッククライミングに行くが、誰も通りそうにない谷間で落下し、右手を岩に挟まれてしまう。そこから5日間、身動きが取れなくなったアーロンは必死に脱出をはかるが・・・。

ジェームズ・フランコは自分の力だけで生きようとする主人公を魅力的に演じており、映画のほとんどの時間彼しか出てこないのですがまったく飽きませんでした。登山中に偶然出会った女性二人のガイドを頼んでもないのにドヤ顔でしてくるところとか、実際に会ったら本当になんなのコイツ!と思いますが、ジェームズ・フランコの演技力で不思議と嫌な奴に見えませんでした。僕がこんな厚かましい奴に逢ったら声をかけられた瞬間にダッシュで逃げます。こういう歩く性器みたいな奴が一番嫌いなんだよ!この女性を案内する冒頭のシーンで観客がアーロンの自由な生き様に共感してしまう作りが良かったです。このシーンでアーロンのキャラクターが魅力的に見えるからこそ後の身動きが取れなくなったシーンが飽きずに観られるのだなぁと思います。実際こんな奴いたら自業自得だよ!!「なんでどこ行くか言わないの!!」って小三の息子に説教するようなこと言っちゃうもん。

またこの映画はダーレン・アロノフスキー監督の『レスラー』と同様に一人の俳優が主人公の生き様を見せながら作品を引っ張っていく手法でした。その主人公の生き様(人生)を見せる回想シーンも効果的で良かったと思います。『127時間』の回想シーンは他の映画の回想とは違って、断片的で言葉が少なかったです。普通回想シーンというと、こういった状況でこういう事件があって・・・と繰り返し多用するとどうしても説明的になってしまう面があると思います。『127時間』の回想は言葉が少なくかつある日のちょっとした出来事であるのですが、それでもアーロンがどういった家庭で生まれ成長しどういった恋愛をしてきたのかが十分に分かります。そして基本的に一人で動けないので普通の映画より台詞量は少ないです。まぁそれでもまだ独り言エゲツないけどね!主人公の回想・妄想・夢を現実と交互に見せていくことで、アーロンが何を感じ、何に支えられて、そしてどうしたいのか、というのが分かり共感します。個人的に登場人物があれこれ言葉のかぎり喋るものが好きじゃないので、本当に感動しました。後半もう前のめりで拳を握りしめてアーロンコール(心の中で)ですよ!!いけー!!やれー!!つって。

(以下ネタバレ感想)
単独で何かを達成することが大事な男が事故で孤独になり、初めて自分の人生を思い返します。父、母、妹、かつての恋人、友人など彼の人生に関わってきた色んな人を思い返すと同時にその人たちにしてしまった自分の行為を後悔します。「そういえば母親の電話に出なかったなぁ」「バスケの試合を観戦しているのになんか気分が乗らないだけで恋人ふったなぁー」「・・・あれ、俺かなり自分勝手じゃん!!KY(勝手な野郎)!KY!」とそこで初めて自分自身を見つめ直します。自由に生きてきた彼が孤独になって初めて他人がいたから自分が生きていられたことを知り、その他人との繋がりが今の孤独な彼を支えました。だが彼を決断させたのは家族やかつての恋人の自分への愛情ではなく、自分が気づけなかった愛情をこれから会うであろう大事な誰かに注ぎたいという気持ちでした。そしてあの状況を脱出し声を出して他人に助けを求めたときが彼の生き直しの一歩であるのだと思いました。誰かと関わって生きていくよりも一人で生きていくことの方が断然楽であるのですが、生きていくこと自体が誰かに迷惑をかけていることであると考えさせられ、誰かと関わっていくことの難しさと素晴らしさに感動しました。

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