僕はDay Dream Believer

モロモロの日々

ハゲるのを阻止せよ!-『LOOPER』

拝啓。30年後の僕へ。あの頃の僕は何をやってもサマーのトムをいわれていましたね。グルグル回る廊下で頑張っても「トム、戦ってる!」ガンで余命わずかの命を宣告された役でも「トム、病気と闘ってる!」と言われいつも口をへの字に曲げていましたね。30年後の僕はどうですか?僕の監督した映画が大きな賞を獲っていたりしてね、フフフ…ってハゲあがりきってるやないか!!

そんなわけで2013年最初の劇場鑑賞は『LOOPER』です。主人公ジョーを演じるのは『(500)日のサマー』『インセプション』に出演、その姿を見た後はへの字に口を曲げて顔真似したくなる俳優ジョセフ・ゴードン=レヴィット。30年後のジョーはハゲ俳優界で革ジャンが似合うおじさんの一人ブルース・ウィリス。ちなみに他はウディ・ハレルソンニコラス・ケイジです。ゴースト・ハゲライダーとナチュラル・ボーン・ハゲ!

近未来――タイムマシンは開発されていたが、その使用は禁じられ、犯罪組織のみが悪用していた。彼らは、証拠を残さず敵を消し去りたいとき、30年前に転送する。“ルーパー”と呼ばれる暗殺者の元へ――。凄腕ルーパー、ジョーの元に、ターゲットの抹殺指令が入る。それは、いつも通りの単純な仕事のはずだった。だが、送られてきたのは“30年後の自分”引き金を引くことを躊躇ったジョーの不意をつき、未来から来た“自分”は街へと消えていく。「奴を殺さなければ、自分が消される!」必死に追跡するジョー。ようやく“自分”を追いつめたとき、彼がこの時代へ来た、驚くべき理由が明かされる。男が過去にまで来て変えようとしているものとは?謎多き未来の独裁者“レインメーカー”とは一体――?(チラシより)

本作は設定の凝った作品で他のSF映画からの影響がチラホラあったのが面白かったです。タイム・パラドックスは皆大好き『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ですね。マーティが若いころのお母ちゃんとヤッちゃうと「ジョニー・B・グッド」弾きながら消えちゃうからクリスピン・グローヴァーとお母ちゃんくっつけなきゃ!っていうドクが面白い顔しながら教えてくれた例のアレです。他には未来を変えるために過去へやってくるってのはまんま『ターミネーター』ですし、過去の自分との対峙という点はブルース・ウィリスが出ていたテリー・ギリアム監督作『12モンキーズ』を思い出しました。タイムループものは色々考え出すと頭がこんがらがってしまうのですが、まず本作の大きな問題はジョセフ・ゴードン=レヴィットの30年後がブルース・ウィリスになってしまうところ。『(500)日のサマー』からのジョセフファンにとってはかなりがっかりな成長です。500日のマクレーンですよ、もう。

(鑑賞後に読んでネ)
また設定の凝ったSFだけで終わらず「憎しみを断つ」という話になっています。ヤング・ジョー(ジョセフ)は未来の自分オールド・ジョー(ブルース)を殺せなかったために組織から追われることになります。自分の安全を守るためにヤングはオールドを追うのですが「お前はいつも自分のことばかりだ。俺は利他的になるということをある女に教わった。」と言われてしまいます。その女とはジョーの結婚相手であり彼女が殺されてしまうのを阻止するためにオールド・ジョーは過去へやってきました。ヤングは利他的になるというのがイマイチわからず、あげく結婚相手の写真を見せろと野比のび太みたくゴネ出します。「未来の結婚相手はしずかちゃんじゃなきゃヤダ!」もちろんブルースは頭の形は同じですがネコ型ロボットではないので写真は見せてもらえません。ヤングの追跡を振り切りオールド、というかブルースはいつものように殺戮を繰り返します。ヨッ、ハゲ家!ルーパーたちを血祭りにあげるその姿はもう『エクスぺンダブルズ2』と大差ありません。なんなら今回は後悔して泣いているとはいえ女・子供を殺すのでいつもよりひどいくらい。さすがに女に優しいスライが後ろからハゲ頭をピシャリと叩くレベル。そんなオールド・ジョーを見てヤング・ジョーはこう思います。「こいつ、全く利他的じゃねぇ….!」一瞬にして30年以上の成長を遂げたヤング・ジョーは憎しみを断つある決断をするのでありました。そもそも最初にオールド・ジョーがモア・オールド・ジョーを殺しているからサラは死なずレインメーカーの誕生は阻止できているはずだから、オールド・ジョーを拉致したレインメーカー一派は何物!?とか思いましたけどタイムループは考え出したらキリがないので、カーズも俺もそのうち考えるのをやめた。

12モンキーズ [DVD]

12モンキーズ [DVD]

ミッション:8ミニッツ ブルーレイ+DVDセット

ミッション:8ミニッツ ブルーレイ+DVDセット