僕はDay Dream Believer

モロモロの日々

挫折・苦悩なきヒーロー-『グリーン・ホーネット』

グリーン・ホーネット』は1936年にラジオドラマとして誕生し、66〜67年に放送されたTVドラマ版ではカトー役をブルース・リーが演じたことでも有名です。今回は『エターナル・サンシャイン』、『僕らのミライへ逆回転』など唯一無二の世界観でファンを魅了し続けるミシェル・ゴンドリーが監督を務め、主演にはコメディ俳優のセス・ローゲン、台湾出身のジェイ・チョウを迎え、秘書にはキャメロン・ディアス、そして悪役には『イングロリアス・バスターズ』で人々の記憶残ったクリストフ・ヴァルツという豪華メンバーで『グリーン・ホーネット』をスクリーンに復活させました!

サンフランシスコの新聞社デイリー・センチネルの経営者ジェームズ・リードが謎の死を遂げる。父の埋葬の翌日、息子ブリット・リード(セス・ローゲン)は格闘技と発明を特技とする使用人カトー(ジェイ・チョウ)と偶然友情が芽生え、二人は人生で初めて意味のある何かを自分たちの手で成し遂げようとする。それは犯罪者と戦うことであった。ブリットとカトーは街に飛び出し、犯罪と対決する正義のヒーロー、グリーン・ホーネットへと変貌を遂げる。街の犯罪を牛耳るチェドノフスキー(クリストフ・ヴァルツ)が父の急死と絡んでいることを知り大死闘へと立ち上がるのだった。

割と楽しみにして観に行ったのですが、観ているうちにそんなに自分がグリーン・ホーネットにもミシェル・ゴンドリーにも思い入れがあるわけではないのに気付き、期待していたのを反省しました。物語もアクションも3D映像体験もすべてにおいてパッとするところがないという感想を抱いてしまいました。まずこの映画には“ヒーローになる瞬間”がないのが納得いきませんでした。ブリットとカトーが父親の銅像に悪戯した帰りに偶然不良と出会ってカトーがやっつけるのがグリーン・ホーネットになるきっかけとしてあるのですが、彼らはただ不良に暴力を振るっただけで終わっています。ここで重要なのは今まで父親や新聞社やいろんな人に迷惑をかけてきたブリットが初めて他人の役に立つという描写だと思います。だから助けた人に感謝されないと意味がないのです。『キック・アス』でいうとキック・アスが助けた男に「ありがとう」とつぶやかれるシーンなわけですよ!あれをなくして「人助け気持ちいい!」と言われても暴力・破壊が気持ちよかったんだなぁーと思うしかありませんよ!あと苦悩と挫折。彼らがグリーン・ホーネットを名乗ったせいで無関係な人間が死んだにも関わらず、その苦悩がないのが納得できません。金持ちでわがままな男が自警活動を名乗って好き勝手やっているだけにしか見えませんでした。命の危険がない分ずっとパーティしてた方が楽しいよ!少なくともヒーローとして存在する理由が欲しかったです。

ブリットも最後まで特に成長もなかったし、カトーも意外と調子コイてるキャラクターだったからイマイチ感情移入できませんでした。ガイ・リッチー版『シャーロック・ホームズ』しかり似た者同士がバディ組んじゃダメだと思います。お互いの足りない部分を補完し合ってこそのバディなわけだから。主役も悪役も皆なんか子供のわがままみたいで気持ち悪かったよ!キャメロン・ディアスがあの役っていうのもなんだか切ないものがあるし・・・ランダ大佐もそんな言うほど・・・。メンツが好きなだけなんだか残念な気持ちが大きかったです。この映画で唯一感動したのはジェームズ・フランコの部屋にあるモニターにアンヴィルが映っていたことです!わぁーアンヴィルがメジャーになってるー!ってめちゃめちゃ感動しました!アンヴィル最高!!

映画とは関係ありませんが両隣の人が中盤ぐらいからずっと携帯をいじっていて集中できませんでした。なんなんですかねぇー・・・。

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