僕はDay Dream Believer

モロモロの日々

コレラの時代の愛

ガルシア・マルケスの『コレラの時代の愛』を読んだ。

 

「どんな本、読んでるんですか?」

「いゃあ(作家の名前)なんてのを...」

 

というやりとりで名前を挙げたい作家ランキング上位間違いなし、ガルシア・マルケス。ただ僕にはそんなやりとりをする相手がいない、ホシクズ・ロンリネス。大人は見えない、シャカリキ・コロンブス

 

50年以上片思いしていた主人公が、好きな人妻の旦那の葬儀の日の夜に「実はあの日からずっと変わらず好きなんだ...」と迫る。とんだモラルハザードな序盤!!偲んで!故人を偲んで!50年待てたのならあと七日、せめて初七日の法要を待とうか。

 

ここから過去の回想になり、いかに彼女を愛してきたかという話になるのだが、今だったら完全にアウトなアプローチの数々。女性の家の近くでバイオリン弾いたり、女性がそこに写ったというクレージーな理由でレストランの鏡を買い取ったり、映画館で偶然後ろの席に女性が座っていて喜んだのも束の間「彼女が吐いた息を俺は今吸っている!」と興奮したり...コレラの時代は愛の行為に対しては大分寛容の模様。ただこの主人公50年一途かと思いきや未亡人を片っ端から抱きまくったり遠縁の少女ともふしだらな関係(スーパードン引きました)になったり、それで「心は君のものなんやで!」と言われてもあんま説得力ナッシング。

 

同じ名前の一族がわんさか出てくる『百年の孤独』や言葉の洪水段落一切なし小説『族長の秋』よりは読みやすかったです。幻想もあまりしていないですし。