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僕はDay Dream Believer

モロモロの日々

作品の意味と価値とは?-『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』

渋谷で『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』を観ました!この映画の監督であるバンクシーはイギリスを拠点に活動するいっさいの素性を隠したストリートアートのカリスマです。有名美術館に自分の作品を勝手に飾ったり、パレスチナとイスラエルの間の分離壁に銃を向けられながら風船で壁を飛び越えようとする少女の壁画を描いたり、街の公衆電話BOXを折り曲げたりと、その破壊的な芸術活動から芸術テロリストとも呼ばれています。

元々はティエリー・グエッタという人物がバンクシーなど多くのストリート・アーティストを題材にしたドキュメンタリー映画を作ったのですが、これがとんでもなくつまらなく、映画を観たバンクシーが「オレよりもオッサンの方が面白い」ということでティエリー・グエッタを主役に映画を作り出します。さらにバンクシーの発した一言でティエリーは“ミスター・ブレインウォッシュ”というストリート・アーティストになり、ロサンゼルス最大の新聞LA Weeklyの表紙を飾り、さらに大規模な展覧会を開くことになります。この“ミスター・ブレインウォッシュ”という人物が偶然の産物なのか、バンクシーが仕組んだことなのかは映画の中でハッキリしませんが、“ミスター・ブレインウォッシュ”は実際に存在し、なんとマドンナのアルバムのジャケットをデザインしていたりします!!しかも結構有名なやつ!!

新聞の表紙やバンクシーの推薦コメントもあって無名の新人ミスター・ブレインウォッシュの展覧会には多くの人が詰め掛けます。実際に飾られている絵は普通のおっさんが色んなアーティストの作品をパクって作られた作品ばかりなのですが、それを知らない鑑賞者は彼の価値のない作品に意味をこじつけ価値を付けていきます。バンクシーは作品に意味が無くて世間的な評価があるアーティストという芸術家の敵とも言えるキャラクターを作り上げてしまいます。しかし世間的に評価されてしまっている彼の作品に価値が無いとしたとき、では果たして価値がある芸術とはなんなのかと考えさせられてしまいます。そして普段我々が美しい・面白いと感じて金を払っている作品は本当に美しいもの・面白いものであるのかとさえも思い少し怖くなりました。また芸術や作品の意味と価値はイコールで成り立っているわけではないと皮肉っているのがとても印象的でした。親友であるミスター・ブレインウォッシュのことを残念そうに語るバンクシーの姿は、意味が無い芸術家に“意味のない芸術”という形でミスター・ブレインウォッシュに意味を持たせようとしているように見えました。しかし世間の評価を信用していないバンクシーのスタイルを考え直したとき、ミスター・ブレインウォッシュもアート業界を皮肉ったバンクシーの仕組んだ作品なのかもしれないと思いました。とても面白かったです!今後もバンクシーとミスター・ブレインウォッシュから目が離せない!!

バンクシーが手がけたアジアの劣悪な労働環境を題材にしたシンプソンズのOP

Wall and Piece

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