僕はDay Dream Believer

モロモロの日々

映画日記(誘拐/プレイ/レッド・ステイト)

『誘拐 狙われたハイネケン』(2011/オランダ)

みんな大好きルトガー・ハウアー出演映画です。ルトガー・ハウアーといえばもちろん『ブレード・ランナー』のレプリカントですね。人間のハリソン・フォードよりも感情豊かにサイボーグを演じてどっちがサイボーグだか分からないよ!といって話題になったカッコいい人です。最近だと『ホーボー・ウィズ・ショットガン』で浮浪者を演じていましたが、今回はあの有名なビール「ハイネケン」の社長になりました!浮浪者から金持ちに見事に成り上がり!本作はオランダで実際に起こったハイネケン社長誘拐事件を基にしており、映画を見た犯人の一人が公開の差し止めを訴えたとか。本編は4人組の犯罪者グループにハイネケンが誘拐される前半とハイネケンというよりもルトガー・ハウアーがギラギラした眼で犯人を追いつめる後半に分けられます。前半で誘拐するまでは結構良かったのですが途中から犯人グループのダメなオーラがビンビンでした。だってルトガー・ハウアーを監禁している真っ最中に主人公の若者が同じグループの男の彼女を寝取ったりしてるんだもの!そりゃあダメだよ、緊張感なさすぎだよ。サークルじゃないんだからさ。あげく女と『スカー・フェイス』観に行って、帰りにトニー・モンタナの物真似だからね。そんな長尺の映画観に行ってる場合か。そして後半に解放されたルトガー・ハウアーの逆襲が始まるんですけどこれが良い。かっこ良い。『ホーボー・ウィズ・ショットガン』だと「ダメだ!世の中腐ってやがる!」と世直しの意味合いで大暴れするんですが本作は「よくも俺をこんな目に合わせやがって…」と個人的な恨みが大きいのでギラギラさはコチラの方が観ていて愉快でした。訴えた犯人は映画の何が嫌だったんだろう。トニー・モンタナの物真似?たしかに実際にやってたら結構な黒歴史だ。


『プレイ-獲物-』(2010/フランス)『スリープレス・ナイト』(2011/フランス、ルクセンブルク、ベルギー)

続いては2本まとめてどちらもおフランスの映画。2本立て続けにDVDで観たのですが共通点が多くて面白かったです。『スリープレス・ナイト』はマフィアのドラッグを強奪したことがバレて息子を人質に捕られた刑事の話。マフィアのボスが経営するクラブでの文字通りスリープレスな一夜を舞台にお父さんが頑張っております。『プレイ-獲物-』は銀行強盗犯がサイコパスから娘を救う話。どちらの主人公も凄く強いというわけではないのですが子供を守るためにシャカリキです。たとえ車に轢かれてもすぐ立ち上がり、たとえ拳銃で撃たれても自分で応急措置、ピッキングなんてお手の物!フランスのパパは強いよ!てかそもそも家族のためにそんなに頑張れるなら最初からマトモに生きてくれよ!とは思っちゃいけません。幸せを手に入れても金や薬、欲にまみれる生き物なんですよ、まったくフランスの男ってやつは困ったもんだねぇ。また主人公を追う刑事がどちらも女性ってのも印象的。男臭い映画にフランス美人が華を添えます。司法の目の象徴が女性ってことはやっぱりもうフランスのパパは浮気できませんなぁ。モロバレ!


レッド・ステイト』(2011/アメリカ)

最後は超過激かつ危険な宗教団体が登場する映画です。田舎町に住む三人の男子高校生がすぐヤレるという怪しすぎる出会い系サイトを利用して女性と会います。その女性が実はキリスト教超保守派・ナチも避けるといわれる過激な宗教団体の信者で高校生たちはあっさりと捕えられてしまうのです。その宗教団体は同性愛および性の乱れは悪魔の所業とされており、神の代わりに裁きを下すため武装しているというメチャメチャな集団。映画の世界観では教会という場所は絶対に安全で、さすがのあのゾンビもやってこないのですが、本作は特殊部隊と宗教団体が教会を戦場にして撃ち合います。次から次へと武装した信者が出てくるのでもう笑えてきます。この映画には様々な信仰が出てきます。まず宗教の信仰はもちろんですが、子供にとっての親の存在。またジョン・グッドマンが受ける「女、子供関係なくテロ組織を壊滅せよ」という上司の命令も絶対で従わなければならないものであり信仰に近いものがあります。だからこそ映画の終盤にジョン・グッドマンが語る内容が非常に良かったです。監督はケヴィン・スミスで昔は男同士がキャッキャッする映画ばかりを撮っていた人なのでちょっとした会話も気が利いていて面白かったです。

レッド・ステイト [Blu-ray]

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