僕はDay Dream Believer

モロモロの日々

僕がももいろクローバーZについて思うこと

7月27日にももいろクローバーZの1stアルバム『バトルアンドロマンス』が発売されました!収録内容は7月に先行発売されたシングル『Z伝説〜終わりなき革命〜』『D’の純情』はもちろん、Z化以前「ももいろクローバー」時代のシングル『ミライボウル』『ピンキージョーンズ』『行くぜっ!怪盗少女』の5人での新録、ライブで有名な『オレンジノート』などなど、「ももいろクローバー」時代から好きな人も「ももいろクローバーZ」から聴き始めた人も両方が楽しめる非常に盛りだくさんのアルバムとなっております!ですが今回のエントリは『バトルアンドロマンス』のレビューではなく、僕が1年弱という短い期間ではありますがももいろクローバーについて思ったことを書きたいと思います。

僕がももいろクローバーを初めて観たのは去年5月にNHKで放送されたMUSIC JAPANでした。ももいろクローバーモーニング娘。AKB48アイドリング!!!スマイレージなどの多数のアイドルと共演しており、この放送は「アイドル戦国時代の幕開け」と言われているそうです。元々僕はアイドルに興味がなかったのですが、彼女達の『行くぜっ!怪盗少女』のパフォーマンスに圧倒されました。自分達を怪盗に見立てた自己紹介ソング『行くぜっ!怪盗少女』の楽曲自体の良さもあったのですが、それよりも僕が釘付けになったのは彼女達のダンスでした。間奏中の前転、側転、海老反りジャンプという身体能力の高さ、荒いのだがキレッキレの全力のダンス、そしてゴレンジャーシステムを取り入れた色違いの衣装。見ているとなんだかこっちまで楽しくなってくるようなパフォーマンスに魅せられてしまい、毎日のように『行くぜっ!怪盗少女』のPVを繰り返し見ていました。

何度も見ているうちにももいろクローバーには他のアイドルとは違った魅力があることに気付きました。分かり易いのが色違いの衣装なのですが、色を分けることによって一人一人のキャラクターも分けています。赤色=百田夏菜子はレッドなのでやっぱりリーダーであり身体能力が一番高い。ピンク=佐々木彩夏はももクロのアイドルでありどんな激しいダンスのときでも自分を可愛く見せることを忘れない。黄色=玉井詩織キレンジャーと同じく食いしん坊キャラ。緑=有安杏果は歌とダンスが好きすぎて自分なりの変なアレンジを加えちゃう子。紫=高城れにはちょっと不思議ちゃん。僕が一番好きだった青色=サブリーダー早見あかりはラップとMC担当だったのですが今年4月に脱退してしまいました・・・。この色分け(キャラ分け)をすることによって最初のうちは名前を覚えなくてもいいというのが夢中になった一つの要因でした。

それとももいろクローバーが不完全なアイドル像であるのがとても魅力的でした。容姿も声も可愛くて歌もダンスも抜群に上手い完璧なアイドルは逆に魅力を失ってしまうのではないかと僕は思います。アイドルとは言わば自分が憧れる・陶酔する人物です。その人物が完璧であると本当にどこか遠い存在の人に思えてしまいます。だからちょっとした歪さを出して人間っぽさを演出した方がより親近感が湧き夢中になるのだと思います。その点に置いてはももいろクローバーは歪さ・ズレだらけで、ビタッ!と止まるフリのところでフラついている子がいたり、TVでアイドルが皆で切り絵をやるコーナーでは紙を切らずに丸めて「スルメです!!」と嬉しそうに言ったり、本当にどうかと思うくらい普通の女子です。またモーニング娘。やAKBとは違って、ももクロにはプロデュース感がなくそれぞれが全力なのがとても胸を打ちます。普通アイドルはダンスを合わせることを大事にすると思うのですが、ももクロは「私はここはこうするのが気持ちいい!」と言ったようにそれぞれが一生懸命に踊っているので、同じフリを踊っているのになんだか違う子がいます(特に紫と緑)。ですが個人の歪さと一生懸命さは、お互いをカバーしグループになったとき初めてアイドルとして完成されます。だからこそももいろクローバーはあのメンバーでいる必要性があるのだというところも素晴らしいと思います。一人一人の少女たちがありのままで生きている姿がももいろクローバーの最大の魅力なのです。

ここからは早見あかりが脱退した後の「ももいろクローバーZ」の話になります。僕はももいろクローバーZになってからあまり聴かなくなってしまいました。その原因は歌う曲の傾向がそれまでと変わってしまったからです。ももいろクローバーはファンの予想を裏切る・気を衒った売り出し方をしてきました。インディアンの衣装を着てなんとも言えない寸劇をするPVの「ピンキージョーンズ」、サビの間「コッココッコ」しか言わない迷曲「ココ☆ナツ」、丹下のおっちゃんの扮装をさせられる高城れになど、どこか普通のアイドルとは違った売り出し方でした。ファンの予想を大きく裏切るのですが、どんな変なことにもそこには毎回一生懸命元気に取り組む彼女達がいて、そこにとても好感を持ちました。しかしももいろクローバーZでは「一生懸命歌って踊る」ということを一生懸命歌って踊ることしかしなくなりました。確かに彼女達の魅力はありのまま姿と全力であることなのですが、それを歌詞にすると「負けない」「立ち上がれ」「弱くない」などの言葉が並びどうしても薄っぺらく感じてしまいます。以前までは電車でいつも見かける男の子にトキメク歌(『走れ!』)などを等身大の女の子が一生懸命歌う姿が良かったのですが、ここに来て「私達は一生懸命歌って踊ります!」ということを押し付けてきたのです。なんかこれが非常にヤダなぁ・・・と。確かにそこが魅力なのですがそれをこう何回も言われると本当にヤダなぁ・・・と。言わなくても分かってるから!それ!!分かってるから!!って言いたいんですよ。それとヒーローのコスチュームやプロレスなどプロデュース側の欲望みたいなのも見えてきたのも本当にヤダなぁ・・・と。何もされてない感が好きだったのですが、なんか大人たちのおもちゃみたいに見えてきて、本当にヤダなぁ・・・と。

でも僕はももいろクローバーは好きなので、なんかこうもっと彼女達自身の良い曲が聴きたいっていう記事でした!!